30代独身女性、いわゆるおひとり様です。
2018年から会社員の傍ら副業で不動産投資を始めて、6年で家賃の手取り収入が本業の収入の1.5倍になりました。
近い将来、不動産にかかわる事業で独立したいと思っています。
このブログは、これまでの不動産投資の知識と経験の棚卸、これから独立するまでの軌跡を残すために始めました。
そして、不動産投資を資産形成の手段の選択肢として興味はあるものの、実際にどうやって始めたらよいかわからない、という人にも、自分の経験が参考になればよいなと思っています。
不動産投資を始めるに至った経緯について、自己紹介に換えて紹介します。
働き詰めの20代
大学を卒業し、新卒で働き始めた会社は金融系の法人営業。特にやりたいこともなかったけど、例えばメーカーなどなにか1つの分野や商品を扱うよりは、広く世の中やいろいろな企業を知ることができるほうが良いという消去法で決めた会社でした。
入ってみてまず感じたことは、とにかく仕事が多い。忙しい。職場はいつもピリピリした雰囲気や、イライラを隠さない人がたくさんいて、殺伐としていました。
当然わからないところがあっても、忙しい先輩や他部署の人に聞けるような雰囲気ではなく、自己解決が求められる。
ミスをしたり、仕事が遅いと当然怒られる。ノルマを達成できないと詰められる。
勤務時間も、毎日8時に会社の入っているビルが解錠されるのと同時に出社。20時より前に退社した記憶はほぼありません。
正直入社2日目くらいで辞めたいと思っていました。
それでも3年ほどは何とかやっていましたが、心身ともに限界でした。
それに、たとえ多少仕事に慣れたところで、この先もこの会社でずっと仕事がしたいか、と考えると、無理だったと思います。
年齢が上がって職を変えるという選択肢が取れなくなる前に、転職するのが無難だという答えに行き着きます。ここで1度目の転職をしました。
2社目に就いたのは、とある中小企業の専門職。
この頃、リーマンショックの景気の落ち込みに加え、東日本大震災が起きたころだったため、転職市場は非常に冷え込んでいました。
1社目の教訓を生かして職場環境も含めた条件はきちんと吟味しようと思っていましたが、選択権は、完全に採用する企業側にありました。
そもそも興味のありそうな会社の求人自体がないような状況です。
もう、年収がそこそこで、単純作業ではなく、何かしらスキルが身につくような仕事であれば何でもいい、という感じで転職を決めてしまいました。
だから、2社目は自ら逃げ道を断とうという決意も込め、入社と同時に人生で初めて実家を出て、一人暮らしをすることにしました。
初めての一人暮らしで、私生活は、最初は何もかもが新鮮な気持ちだったのを覚えています。
が、仕事は…案の定、総合的に見ると前社を上回るブラック企業でした。
社長のワンマン気質が強く、頻繁に社内に怒鳴り声が響くような職場でした。社内にはそんな社長と一緒にやっていける社員が残っている、という状況だったので、社員もそれに似るのか、ヒステリックな人や激高しやすい人が多かったです。
仕事内容は、とにかく専門性が高くてついていくのに必死でした。
時間がある限りやれるだけ仕事をやる、という文化だったので、2~3か月毎日ほぼ徹夜、みたいな日々を送ったこともあります。
それでも、一人暮らしを始めていたし、この時は自分の決めたことの始末は自分でつけよう、と決めていたので、今度は簡単には辞めようとはしませんでした。
結局20代は2社目で頑張りました。
20代を振り返ると、正直仕事をしていた記憶しかありません。
友達と遊んでいても、旅行をしていても、いつも頭の中で仕事のことを考えてしまっていて、月曜になるのが怖いという感じです。
連休なんかあった日には、連休の楽しさと仕事の始まるつらさの落差でどうにかなりそうだったので、意図的に連休最後のほうはテンションを下げにいっていました(笑)
せっかくの20代なのにもったいない過ごし方をしていると言えばそうかもしれませんが、この時培った根性、ピンチを切り抜ける課題解決力、メンタルを平常に保つスキル、対人コミュニケーション能力、財務会計やPCスキルは全て今、不動産賃貸業にも存分に生きているので、よしとします。
30代での2度目の転職
30代に入ると、仕事には慣れてきましたが、やはり怒号やヒステリーが飛び交う職場にだんだん嫌気がさしてきました。
そしてついに、このようなちょっとやそっとのモラルの欠如は日常、という会社の中でも問題になるほどの、とある管理職のモラハラ発言事件が勃発し(私に対してではないですが)、転職を決意します。こんなありえない発言が飛び出す職場にいることで、毎日嫌な気持ちで仕事をする意味はない、もう我慢するのはやめようと思いました。
今度も消極的な理由ではありますが、入社して4年、社会人になって7年ほどが経ち、ある程度会社員としての一般スキルや専門スキルも身についていました。このときは、転職活動をしてもこの領域の経験者として受け入れてくれる企業がある、という確信がありました。
そして転職を決意して2か月足らずで、3社目の転職が決まります。
私は、新卒で入社した会社と2社目を経験し、仕事とは、職場とは、つらく苦しいものであり、人間関係とは殺伐とした冷たいものであり、倫理的におかしな人がいないことだけでそれは幸福であると思っていました。
だから3社目も、職場環境には全く期待していませんでした。
ただ、2社目の経験が生かせそうだったこと、年収を維持してくれるということ、残業時間が平均20時間程度と求人票に書いてあったこと、大手企業だったことで、入社を決めました。
そしていざ、入社してみると・・・今までの自分の中の職場環境の「普通」の概念が大きく変わりました。
3社目で一緒に仕事をする人たちは、相手を責めたり責任転嫁することなく、できないことはチームで考える、という助け合いの精神で仕事をしていました。みんな本当に穏やかで、ものすごく親切。そういう風土の会社でした。
もう、職場内に飛び交う怒号やヒステリーは聞こえないし、休日明けの月曜も苦ではないし、連休中に楽しいことがあると、職場の人にも話したいな、と思えるほど人間関係も良好です。
そんな会社に入社できたことで、物理的・精神的な余裕が生まれ、初めて私は目の前のことをこなすだけではなく、10年・20年先のことを考えるようになりました。
不動産投資を始めたきっかけ
20代はあまりお金を使わなかったことと、一人暮らしを始めたことで、節約もかなり重視していたおかげで、30歳になるころには1000万円ほどの貯金ができていました。
せっかくのまとまった資金を寝かしておくのももったいないし、物価が上がるとこの1000万円は相対的に価値が下がってしまうので、何か資産運用を始めようと思い立ちます。
ちなみに今までの人生を通して、「結婚」というものに対してはする・しないということはあまり考えていませんでしたが、自分のお金は自分で稼ぐという意味では、どちらにせよ資産形成はマストだと考えていました。
まず、無料のマネーセミナーにいくつか参加し、「投資」「資産形成」とは何かを学ぶことに。
定期預金、投資信託、株式、FX、そして不動産投資。資産形成の方法には種類があり、それぞれ特性があることを学びました。
- 定期預金や投資信託はある程度確実に資産形成ができるけれど、利率は低いローリスクローリターンの投資。
- 株式やFXは大きなリターンが得られるけれど、リスクが大きいハイリスクハイリターンの投資。
- そして不動産投資はその中間に位置するミドルリスクミドルリターンの投資。
そんな話を聞いていて、明らかに不動産投資だけが少し毛色が違うことに気が付きます。
まず、明らかにほかの投資よりも自分でリスク・リターンのコントロールができるということ。
簡単にいうと、1000万円で物件を購入し、10万円の家賃で貸すことができれば、利回りは12%(家賃年収120万円÷物件価格1,000万円×100%=12%)。
物件の価格も家賃も、自分で相場を見極めて安く買って高く貸せば、ある程度大きな利回りが出せます。
もちろん市場の変化により物件価値や家賃相場が変わったりもしますが、株のように短期間で大きく動く、ということも少ないので、購入時に誤った判断さえしなければ、ほぼその後継続的に安定運用が可能。
そして、不動産には土地が付いているため、建物の価値が落ちても、土地の価値は落ちにくく、資産が0になることはほぼありません。ローリスク・ハイリターンになると思いました。
そして決定的にほかの投資と違うのは、不動産投資は銀行からお金を借りて投資ができるということ。
不動産投資は、「投資」と名がついていますが、実態は「事業」だと考えます。
それも、スキームがある程度定まった、他よりも失敗の可能性が抑えられる事業です。
そんなことを学び、投資資金もある程度あったため、手法を不動産投資に定めました。
それからは平日の夜や休日を使って、不動産投資の本を読んだり、無料セミナーに参加したり、不動産投資家のブログを読んだり、Youtubeを見たりと、たくさん勉強しました。
不動産投資の中にも、新築なのか・築古なのか、アパートなのか・マンションなのか・戸建なのか、都市部なのか・郊外や田舎なのか、等、種類があることを知ります。
私は最初はとにかく小さく始めることに決め、投資先を築古戸建に定めました。
理由は、
- 現金で購入できるので、最悪失敗しても自分の資金が減るだけ。借金返済ができず、他人に迷惑をかけることはないから
- 築古なので物件が安く、一方で戸建なのである程度の高い家賃は見込め、利回りが高いから
- 戸建には、電気ガス水道等のインフラや、トイレ・風呂・キッチンなどの設備、屋根・壁・床等の躯体等、住居用建物に必要な一式が詰まっており、不動産投資に必要な経験が一通りできるため、今後不動産を買い進める際に役立つと思ったから
です。
不動産投資の勉強を始めてから、約4か月ほどで1棟目のオーナーチェンジ(すでに入居者がいる)の築古戸建を購入し、私の不動産投資はスタートしました。
不動産投資にまい進する30代
1棟目購入後、2年間で追加3棟、計4棟の戸建を購入しました。2棟目~4棟目の戸建は空き家を再生して入居者を募集する、いわゆる「ボロ戸建投資」です。
その後、さすがに少し資金が心もとなくなってきたことと、ちょうどコロナ禍で他県への移動が良く思われない風潮だったこともあり、1年程物件を買わない期間がありました。
この期間で感じたことは、不動産投資の複利の威力です。約1000万円を元手に不動産投資を始めましたが、購入を進め、物件の修繕をしたりしていると、一番手元資金が減ったときで200万円ほどになりました。が、投資歴3年目に1年間の資金温存期間を経て、元手は投資前の水準まで復活していました。
資金も戻ったし、不動産投資の経験値も上がってきたので、不動産投資をもっと真剣に、本気でやりたいと思ったのもこの頃です。
そして、きちんと事業として不動産賃貸業をするため、法人を作りました。
法人設立後、法人としての1棟目の物件を探すべく、今度は戸建ではなく、1棟アパートの物件探しと、同時に融資をしてくれる金融機関の開拓を始めました。
戸建を現金で買うときは、関係者が売主・仲介・買主(私)でしたが、アパートを購入するとなると、関係者に融資をしてくれる金融機関が加わります。買いたい物件は金融機関が営業エリアの関係でNGだったり、金融機関がOKとするエリアに物件がなかったりで、アパート購入は戸建購入よりも数段ハードルが高かった気がします。
それでも、半年ほどで何とか目線に合う1棟目のアパートを購入することができました。
ちなみに、アパートを買った1週間後に、過去に戸建を購入したことのある不動産屋さんからオーナーチェンジ戸建の紹介があり、こちらも法人で追加購入しました。
この時点で、不動産投資を開始してから5年が経ち、家賃の税引き前手取り額が、本業の収入と同じくらいになりました。
不動産業で独立を目指している今
不動産投資6年目となる2023年、2棟目のアパートを購入し、家賃の手取りが本業の収入の1.5倍になりました。
今は、不動産投資は副業という形ですし、会社員としての本業にも特に不満はありません。正直ずっとこのまま本業と副業の2本の柱で定年を迎えるのもありかなと思います。
でも、自分で試行錯誤し、法人も作り、不動産賃貸業をしてきたことで、雇われる側では絶対に味わうことのできない、自分が全責任と権限をもって、都度判断を下しながら事業を進め、大きくしていく、ということが、ものすごく面白いことだと気づきました。
それに、不動産賃貸業をしていなければ出会えなかった人たちがたくさんいます。できなかった経験があります。何より不動産賃貸業というものの奥深さ、面白さに魅了されました。それはもう、人生で不動産賃貸業に出会えてよかった、と思い本気で感謝するくらい。それくらい、不動産投資が大好きになりました。
好きなことを、100%自分の力でやってみるのも、なかなかできることではありません。人生一度きりだし、一度自分の力で作った船をこいでみようかなと思っています。
そのため、規模にもよりますが、あと1棟アパートかマンションを1~2棟購入したら、会社は辞めるつもりです。
これから、不動産賃貸業のみではなく、レンタルスペースや民泊・農泊等、不動産にまつわる事業全般含めて挑戦してみたいです。
それまでの軌跡をブログに書いてみるのも面白いかなと思っています。
ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくれた人、ありがとうございます。独身で資産形成を考えていて不動産投資に興味がある人、不動産投資の勉強をしている人、不動産投資をすでにやっている人達なのかなと思います。
私は30代前半で不動産投資を始めました。特に独身でフットワーク軽く、1000万円とはいわずとも、500万円く程度の資金がある人であれば、不動産投資はかなり効率よく資産を築くことができる資産運用の方法だと思います。
しかも自分の頭や手足を使えば、より高い利回りを生み出せて、資産形成のスピードを加速させる可能性を秘めています。一方で、不動産投資は時間をかければかけるほど、将来の複利が大きなものになっていきます。
ぜひこのブログを見て不動産投資がどんなものなのかを知ると同時に、今後私自身の不動産投資がどうなっていくか、見に来ていただけたら嬉しいです。