ボロ戸建投資完全ガイド~購入編~

目次

はじめに

ボロ戸建投資に興味がある人に、実際に私が進めてきた、超具体的なボロ戸建投資の方法を紹介しようと思います。このブログでは、まずは購入編ということで、購入方法についてまとめてみました。

ちなみに私はこれまで全部で6棟購入し、2棟売却していますが、実質利回りは17%~52%です。一番利回りの高い52%の物件は、購入後2年で投資資金をすべて回収し終わり、現在は毎月5.2万円の家賃が入ってきています。

ここでいうボロ戸建投資はこんな感じ。

  • 現金で購入できる少額の物件
  • 人が住んでおらず、入居募集にはリフォームが必要になる物件
  • 物件の資産価値よりも高い利回りを求める物件

このような戸建物件を安く買って安く修繕し、そこそこの家賃を設定で入居者を探して住んでもらう方法です。

ボロ戸建投資には、たくさんのメリットがあります。

ボロ戸建投資のメリット
  • 20%以上など当たり前の、高い利回りが期待でき、投資資金の回収が早い
  • 不動産投資で起こりうることを小さな規模で網羅的に経験できるので、不動産規模拡大の足掛かりになる
  • 借金せずに物件数を増やすと、家賃収入のインパクトが非常に大きくなる
  • 融資返済の不安がないので、精神的に楽

反対にデメリットも。

ボロ戸建投資のデメリット
  • ボロ戸建プレイヤーが増えており、投資に見合う物件探しが難しい
  • 修繕費用が思ったよりもかさんでしまい、思ったより利回りが出ない
  • 最低限の修繕ができていないと、入居者からのクレームになる

こんなことにならないよう、メリットの部分を最大限に伸ばせるように、このブログでは実効性のあるボロ戸建投資の具体的なやり方について紹介していきたいと思います。

この記事はこんな人にオススメ
不動産投資を始めるにあたり、まずは借金をせず小額から始めたい人
不動産投資で必要なことを一通り学びたい人
高利回りで資金回収を早めたい人

どんなボロ戸建を購入すればよい?

①最初にほしい実質利回りの目標を決める。

不動産投資で語られる「利回り」には、大きく2種類あると覚えておきましょう。

利回りの種類
  • 表面利回り=年間家賃収入÷物件購入価格×100%
  • 実質利回り=年間家賃収入÷(物件購入価格+修繕費用+初期費用)×100%

このうち、ボロ戸建投資で重要なのは、「実質利回り」のほうです。

ボロ戸建投資では物件を安く買い、修繕費用をそこそこかけるパターンが多いからです。

例えば、

物件例
  • 物件価格:200万円
  • 修繕費用:70万円
  • 初期費用:30万円
    ※初期費用=仲介手数料、登記費用、火災保険、固定資産税負担分、不動産取得税など
  • 家賃:5万円/月

こんな物件であれば、実質利回りは

60万円(家賃5万円×12か月)÷(200万円+70万円+30万円)×100%=20%

となります。

実質利回り20%ということは、5年間で投資した資金を家賃で回収できる、という計算です。

ボロ戸建は、築年数が経っているため劣化している部分も多く、修繕が必要な個所が多い分、リスクの高い投資です。ボロければボロいほど、短期間での回収を目指す必要があります。

ボロ戸建投資をする以上は、実質利回りの目標を少なくとも20%以上に定めておきましょう。

欲しい利回りに仕上げる方法はいくつかあります。利回り20%の金額イメージはこんな感じ。

実質利回り20%の物件例
  • 物件価格は多少高くても修繕が少なくて済む場合
    年間家賃72万円÷(物件価格300万円+修繕費用30万円+初期費用30万円)×100%=20%
  • 物件を極力安い、修繕にはある程度お金がかかっても問題がない場合
    年間家賃48万円÷(物件価格100万円+修繕費用110万円+初期費用30万円)×100%=20%
  • 物件価格+修繕費用はそこそこするが、家賃も高く取れる場合
    年間家賃96万円÷(物件価格350万円+修繕費用100万円+初期費用30万円)×100%=20%

主に投資エリアによって、どの方法をとるかが変わってきます。

  • 物件は安いけれど、需要が少なく家賃が低い田舎のエリアでは、②の方法をとる、
  • 逆に市街地など需要が見込めて家賃が高く設定できるエリアであれば、③の方法をとる

という感じです。状況によって投資方法も柔軟に変えていきましょう。

②目標実質利回りが出せるか家賃相場を調べる

物件がいくら安くても、そこに住んでくれる人がいなければ意味がありません。

住んでくれる人がいたとしても、想定よりも安い家賃しか取れなければ、目標の利回りを出すことはできません。

なので、物件の購入を検討するときには、必ずat homeやSUUMOなどの賃貸物件サイトで家賃相場を調べましょう。

賃貸相場の調べ方は、検討している物件に近い

・広さ
・間取り
・築年数

などを検索条件に入れ、周辺の物件の家賃がいくらくらいかを確認しましょう。

相場より3,000円ほど安くなったとしても、入居がつけられるか、実質利回り20%を下回らないかなど、必ずストレスをかけて考えてみてください。

ここで家賃の見込みが甘く入居付けができないと、例え物件を安く買えて、修繕費用があまりかからなかったとしても、利回りは0%となります。

③初心者が買ってはいけない物件

初心者がボロ戸建の1棟目を買うときは、「修繕費用が大きくかかる物件」には手を出さないようにしましょう。

修繕が大きくかかる物件の目安
  • 広範囲に雨漏りがある
  • 傾きがある
  • 木部にシロアリに食べられた跡がある
  • 空き家期間が長く、電気・ガス・水道などのインフラがすべて動かない可能性がある
  • 古い生活設備を現役で使っている(バランス釜、温水器、古い井戸ポンプ等)

ひとつずつ見てきます。

(1)広範囲に雨漏りがある

広範の雨漏りは、下手をすると全面葺き替え以外に対処方法がない場合があります。そうすると、200万円~費用がかかることも。

天井の広範囲に雨染みが確認できるような物件は避けるのが無難です。

ごく狭い範囲で雨漏りしているように見えても、原因の根が深かったり、結局足場をかける必要が出てきて、大規模な修繕になってしまうこともあります。雨漏りの程度を見極められないうちは、雨漏りが怪しい物件は見送るのが得策です。

(2)傾きがある

傾きには大きく分けて2種類あります。

  • 建物の経年劣化
  • 地盤沈下

です。建物の経年劣化は、ある程度仕方ない部分があります。古い家は建具の立て付けが悪かったり、よく見ると、床がところどころ盛り上がっていたりへこんでいたりすることはよくあることです。

この程度の傾き(というよりゆがみ)であれば、特段問題はありません。たった1世帯、ここに住みたいと言ってくれる人がいればいいので、万人が納得する形に仕上げる必要はないのです。

逆に、ドアや窓が開かない、立っているだけで気持ち悪くなるというレベルの傾きは見送ったほうが良いです。もっとひどいのは、地盤沈下により建物の躯体自体が傾いているときです。

どの部屋に入っても、同じ方向に傾いている気がする…。こんな場合は要注意です。

最初はそれほど気にならなかったとしても、沈下が進行し、将来的に大きく傾く傾向があります。そうなると、最終的に入居が付かないばかりか、物件の売却ができない事態に陥る可能性もあります。

傾きのある物件は基本的には避けましょう。

(3)木部にシロアリに食べられた跡がある

建物の基幹部分の柱をシロアリに食われていたりすると、建物自体がもろくなっている可能性があります。

また、現在進行形で食われている可能性もあり、入居者からのクレームにつながったり、10万円~の害虫駆除費用が発生したりします。ひどい場合、1度の駆除で終わらず、何度も定期的に駆除に追われることも考えられます。

シロアリがいる物件には、「蟻道(ぎどう)」というシロアリが食べた後の溝のようなものが、木部に見られます。蟻道がある物件は避けるのが無難です。

(4)空き家期間が長く、電気・ガス・水道などのインフラがすべて動かない可能性がある

インフラ関係も、交換や増設にお金がかかる部分です。

空き家の場合、すべてが問題なく動作する、ということはむしろ珍しいので、ある程度交換が発生することは覚悟しておいたほうがよいです。

ただし、物件が安いからといって、あえてすべてのインフラが使えるか不明、といった難易度の高い物件を買うのはやめましょう。

ちなみに、2年以上空き家の場合、ほぼどこかしら不具合があります。5年以上手入れしていない空き家の場合、すべてのインフラが使えないと思っておいたほうが良いでしょう。

私が実際にかかったインフラ修繕や、調べたことのある費用の目安です。

インフラ修繕にかかる費用の目安
  • 電気:分電盤交換7万円~、コンセント増設1万円~
  • 水道:不具合の個所にもよりますが、数万円~数十万円
  • ガス:給湯器などを交換する場合、設備費+工事費で風呂10万円~、キッチンの給湯器5万円~
    ※プロパンガス屋の支給に頼る方法もありますが、入居者のガス代に跳ね返るのと、近年支給を廃止する動きあり

(5)古い生活設備を現役で使っている(バランス釜、温水器、古い井戸ポンプなど)

古い設備は、今は問題なく使えていたとしても、何か問題が起きたときにすでに部品がないため、設備ごと新しいものに交換するしかないことがあります。

例えばバランス釜であれば給湯器に交換する必要がありますが、併せて浴室リフォームや給湯器設置工事が大掛かりになり、100万円単位のリフォームになることがあります。

そのほか、田舎でたまに見かける古い温水器や、すでに水道管が通っている場所で水道用として井戸を引いている場合なども、ゆくゆくは躯体に穴をあけたり、地面を掘り返したりの大掛かりな工事で100万円~費用が掛かる可能性があります。

「修繕費用が大きくかかる物件」は躯体にかかるものだったり、地面の下に埋まっているものだったり、屋根に上らないと修繕できないものだったりします。修繕工事をするときの様子はどうなるか?を想像して、大掛かりになりそうな部分に難がある物件は、まずは避けましょう。

④積極的に検討すべき難あり物件

逆に、積極的に購入を検討したい難あり物件というのもあります。それが、「表面的に難のある物件」です。

なぜかというと、

  • 物件購入の際、値引き交渉の材料にできる
  • 見た目のわりに修繕にお金がかからない

からです。

こんな物件を見かけたら、購入を検討してみましょう。

積極的に購入すべき物件
  • 残置物が多い物件
  • 壁紙がボロボロの物件
  • インフラは正常だが、キッチン・洗面台が汚い物件

ひとつずつ見ていきます。

(1)残置物が多い物件

残置物の多い物件は狙い目です。

  • 残置物の撤去費用や、残置物がなくなった後の状態にかかるリスク費用を値引き交渉の材料にできる
  • 残置物の中に価値のあるものがあることがある

からです。

残置物の処理にはお金がかかるので、売主さんが売却に出すときにもっとも面倒と感じる部分です。

特に田舎の家で高齢の親が亡くなり、遠方に住んでいる子が相続人になったパターンなど、いくらでもよいから早く処分してしまいたい、という状況になることは多いです。

それに、特に高齢の方はものを大事にしたり、日用品を大量にストックしていたりするので、まだまだ使えるものや、価値のあるものも多かったりします。

コロコロ粘着テープ・ガムテープ・ビニール袋・虫よけスプレーなどはよくあるので、自身の自宅で使ったりして生活費を削減できます。

アクセサリー・小物類・場合によっては火鉢(なぜか田舎の古家によくある)や使えそうな衣服などは、ジモティーやメルカリに出すと売れたりするので、物件購入や修繕費用に充てることができたりします。

(2)壁がボロボロの物件

壁がボロボロだと、物件がかなり汚く見えます。しかし、実はきれいにするのはそれほど難しくなく、家の中で最も面積を占める分、壁一面を真っ白に貼り換えるだけで、見違えるほどきれいになります。

ただ、面積が広いので、1棟まるまる業者に張替えをお願いするとそれなりに費用がかかります。ここはぜひDIYを取り入れてみましょう。DIYに必要なのは、材料費のみです。

壁修繕に効果的な材料と費用
  • 壁紙:20mにつき1万円以内
  • 漆喰(粉を購入し自分で練るタイプ):20kgにつき5千円以内

くらいで購入可能です。

戸建のサイズにもよりますが、壁紙であれば5万円以内、漆喰であれば3万円以内で1棟まるまる壁のリフォームができてしまいます。入居者からも新築のようだとウケもよく、修繕の種類の中で、費用対効果は最も高いと言えます。

(3)インフラは正常だが、キッチン・洗面台が汚い物件

水周りの交換は高いイメージがあるかもしれませんが、キッチンや洗面台は、ホームセンターやネットに機能は最低限で安価なものが売っています。

ボロ戸建は相場より安い家賃で貸すことが多いので、機能性を重視した高価な設備は必要ありません。

水周りを清潔にする設備と費用
  • キッチン:3~5万円
  • 洗面台:3万円
    ※取り付け費用は別途2万円~

くらいのもので十分です。

水周りは、設備を一新しただけで、清潔感が段違いにUPします。壁のリフォームとの合わせ技で取り入れることで、入居者付けのしやすくなりますし、家賃も高く設定できたりします。

インフラに問題はないけれど、表面上汚く見える物件は、特に初心者にはリフォーム経験の第一歩として本当におすすめです。

ぜひ最初のボロ戸建投資を選定する際に参考にしてみてください。

物件の探し方

どんな物件を購入したらよいか、のイメージが付いたら、実際に物件を探してみましょう。

その前に、出鼻をくじくようなことを言ってしまいますが、近年ボロ戸建投資は人気があるため、リフォームが簡単で、かつ利回りが20%以上出そうな物件はおそらくなかなか見つからないと思います。

最初は「お宝物件を見つけてやるぞ!」というよりは、「買えなくて当然。物件検索や内見を多くこなし、経験値を積もう」くらいの気持ちで挑んでみてください。

実際、100件物件を検討し、1件投資に見合う物件があればよいほうです。

物件の探し方は、

物件検索の方法
  • ネットで物件検索する。
  • 狙っているエリアの現地の不動産屋を訪ねる、売り物件看板に問い合わせる
  • 内見で知り合った不動産屋さんと継続的にコンタクトを取り、物件紹介をお願いする

などがあります。ひとつずつ見てみます。

①ネットで物件検索する。

一番ポピュラーな方法です。投資物件を探すときに見るサイトは、

  • 楽待
  • 健美家
  • at home
  • ホームズ

などがあるかと思います。この中で、ボロ戸建投資の場合は楽待・健美家ではよい物件を見つけるのは難しいと思っておいたほうがよいです。

なぜか。

楽待・健美家などの収益物件専門サイトは、不動産屋が不動産投資家から物件を預かり、不動産投資家向けに掲載している物件がほとんどです。その中で、なかなか消えずに掲載されている物件は、どの投資家も買おうとしない、儲かりにくい物件が多いのです。

例えば、

  • 値段が高いし下がらない
  • DIY難易度がものすごく高い
  • 立地がかなり微妙

などですね。

一方で、at homeなどの実需向けサイトには、不動産投資にあまり詳しくない不動産屋が一般の人向けに掲載している場合がほとんどです。

例えば、売主が相続でいくらでもよいから処分したいと不動産屋に売却を依頼し、不動産屋も早く片付けてしまいたいから安値でポータルサイトに掲載する、というパターンがたまにあります。

こういう物件は、安く買えるばかりか、最近まで住んでいたということも多いので、修繕費用もほとんどかかりません。家賃がきちんと取れれば、投資の観点で見ればお宝物件の可能性が高いです。

ポータルサイトの特性も考え、ネットでボロ戸建を探す場合は、ぜひ実需向けのポータルサイトを中心に探してみましょう。

②狙っているエリアにいって、現地で売り物件を探す・不動産屋を訪問する

家賃が高く取れる、自宅から行きやすい、両親や親せきの家に近い、行ってみたことがあり環境が良かった、など気になるエリアがある場合には、その地域を散策し、売り物件看板を見つけて不動産屋に電話してみたり、地域の不動産屋を訪ねて空き物件がないかを聞いてみる、というのもひとつ方法としてあります。

この地域にゆかりがある、この地域が好きなので不動産投資を考えている、ということであれば、話を聞いてくれる不動産屋も多いです。

一方で、実際に現地に行ってみるまでは、売り物件があるのかすらわからない、物件を見つけて不動産屋に問い合わせても、あまり収穫がないこともあります。

なので、一見労力のわりに時間を無駄にする可能性が高いやり方にも見えます。

ところが、いろいろな場所を実際に見に行ってみると、この地域は思ったよりも田舎だった、この地域は田舎だけど生活に必要な商業施設や公共施設がすごく充実している、など発見もとても多いです。

現地を見る機会が増えてくると、地図を見ただけでその地域の様子が絵になって浮かぶようになってきます。

各地域の物件相場や、家賃相場も大体つかめてくるので、どこのどんな物件に投資すればよいか、だんだん自分の投資方針もできてきます。

私はよく目指す方角だけ決めてドライブし、道中気になるエリアに立ち寄って売り物件や不動産屋を探したりしていました。観光も兼ねることができて、一石二鳥なので、個人的にはお勧めです。

③内見で知り合った不動産屋さんと継続的にコンタクトを取り、物件紹介をお願いする

物件がなかなか見つからない場合は、一度内見したり連絡したりして知り合った不動産屋に継続的に連絡をとってみましょう。

1~2か月に1回くらいの頻度で、「まだ物件を探しているのですが、何か物件はありますか?」と聞いてみるのがよいです。

これ、意外と効果があります。

なぜなら、一度きりの訪問で終わる投資家は多いですが、継続的にコンタクトをとる投資家はあまりいないからです。2回目以降連絡してくる人は印象付けられますし、何よりこの人は本当に買おうとしている人だ、と認識されるため、物件が出てきたら思い出して紹介してくれやすくなります。

投資家の中には冷やかしも多く、いちいち相手にしない、という不動産屋もいるので、真摯に本気度を見せるだけで、物件を紹介してくれる業者はぐっと増えるはずです。

内見のポイント

検討したい物件を見つけたら、内見を申し込んでみましょう。

内見をするときに見るべきポイントです。

内見時に見るべきポイント
  • 「買ってはいけない物件」に該当していないか
  • 物件に不具合がないかの動作確認
  • 修繕費用がどこくらいになりそうか、可能な限り見積もり
  • 近隣に変な人が住んでいないかの確認
  • 周辺の生活利便性の確認
  • 家賃金額の見積もり
  • 売主側の売却理由・指値(値引き交渉)可能かの確認

①「買ってはいけない物件」に該当していないか

広範囲の雨漏り、傾き、シロアリ、空き家期間が長くてインフラが不安、古い生活設備を現役で使っているなど。

詳しくは「初心者が買ってはいけない物件」をもう一度チェックしてみてください。

ただし、1つでも合致しているからダメというわけではないです。

例えば、雨漏りの程度がひどくても、雨漏りさえなくなれば他はあまり問題なく、家賃も高く取れるようであれば、ここでお金をかけてもそこまで問題ないです。

ボロ戸建投資はなかなか物件が見つからないので、少しの不具合ですぐに検討から外してしまうと、ずっと買えない可能性があります。

基本的には「買ってはいけない物件」の内容はNGです。でも、あくまでトータルでありかなしかは、判断しましょう。

②物件に不具合がないかの動作確認

ドア・窓・建具などがスムーズに開くか

ドア・窓・建具などがスムーズに開くか、一通り確認してみましょう。傾きがないかの確認にもなります。

ドアや窓がきちんと閉まらないと、防犯面から入居付けが難しかったり、建具が閉まらないなどの不具合があると、冷暖房の効きが悪くなりクレームになったりします。

建具類は高いので、古くてもリフォームはしない方向で考えましょう。

水道を開栓してみる

大体玄関近くに水道メーターが入っている、水色の蓋があります。案内をしてくれている仲介さんに許可を取ったうえで、ふたを開けて水道を開栓してみましょう。水を出していないにもかかわらず、メーターが回っていると、どこかで水道管が破損している可能性があります。水道管の破損は、場所によっては修繕金額が大きくなる個所の一つです。

電気を確認してみる

電気がつくかも確認しましょう。

ブレーカーが木の板についているタイプは、古い家によく見られます。これも安全面から変更が望ましいですが、ブレーカー分電盤の交換工事は7万円~かかります。

③修繕費用がどのくらいになりそうか、可能な限り見積もり

ボロ戸建投資で可能な限り抑えたいのが修繕費用ですが、初めての時は見積もりが難しいです。

まずは「買ってはいけない物件」に該当しなくても、なんだかんだで100万円以上はかかると考えておきましょう。

ポイントになるのが、明らかな不具合ではない部分の修繕についてです。

壁紙や洗面所・キッチンの交換は、費用対効果が非常に高いので、新しくしたほうが良いです。

一方で、例えばお金をかけて内装を個性的にしたり、おしゃれにしようとするなど、生活に必須ではない付加価値をつけようとするリフォームは、低家賃で貸しだすボロ戸建には不要です。

必要最低限の設備と清潔感があり、家賃が安ければよい、という人のほうが多く、入居者の母数が多いほうが入居募集時の空室期間も短くて済みます。

生活するのに必ず修繕が必要な部分は修繕し、それ以外の部分はいかに費用をかけなくて済むか?といことを考えましょう。

もっと言うと、壁も拭けばある程度きれいになるようであれば、貼り換えすら不要です。

④近隣に変な人が住んでいないかの確認

そんな人そんなにいないでしょ、と思いますが、意外といます。というか、現在空き家になっている理由が、その隣人がいるからだったりします。

私も以前内見した物件で、内見している最中ずっとにやにやしながら家の周りをうろうろし、中を覗き込んでくる人に出会ったことがあります。

このような隣人がいると、当然入居が入ってもすぐに退去になることが目に見えています。

仲介にその人について聞いてみると、内見案内のたびに現れるのでなかなか買い手が見つからなくて…ということでした。

隣人がいなくなることは考えにくいので、例え物件自体がよさそうでも、見送るのが吉です。

⑤周辺の生活利便性の確認

物件に問題がないことがわかったら、周辺環境もきちんとチェックしてみましょう。

周辺環境のチェックポイント
  • スーパー・ホームセンター・コンビニ・飲食店など、商業施設はあるか
  • 近くに保育園や小中高校などはあるか
  • 駅からの距離 ※田舎は駅近かは関係ない場所も多いので、車での利便性を見ましょう
  • 入居者の職場となりうる会社や施設などはあるか

戸建の周囲に施設がたくさんあり、生活が完結できるような地域であれば、住所がどんなに田舎であっても、入居したい人は必ずいます。

こういうのは現地の様子を実際に見てみないとわからなかったりするので、いかに内見を重ねるかがカギになります。

⑥家賃金額の見積もり

物件の様子や周辺の環境を一通り確認したら、物件周辺の条件に近い貸家の家賃相場を確認します。

そのうえで、物件を貸すとしたらいくらの家賃になりそうかを設定してみましょう。

内見時についてきてくれている不動産屋さんにも、「このくらいの家賃で出したら借り手は見つかりますか?」と聞いてみて、意見をもらってください。

その家賃設定で目標の利回りに届きそうであれば、その物件は買いです。

⑦売主側の売却理由・指値(値引き交渉)可能かの確認

想定家賃の金額も合格点で、修繕もそこまでかからないことがわかったのに、残念ながら物件価格が高くて目標利回りに届かない、ということは多いと思います。

そのときは、仲介の不動産屋に売主の売却理由を聞いてみてください。

売主さんが投資家の場合、売値以下の金額で売却すると赤字になるなどの理由で、値引きに応じてくれないことも多いです。この場合は粘っても意味がないので諦めたほうが良いです。

売主さんが一般の方で、売り急いでいたり、安くてもいいから売りたがっているなどの場合はチャンスです。

値引きの可能性がありそう場合は、値引き交渉をしましょう。値引きも手順を踏むと、少し通りやすくなります。

長くなりそうなので、やり方は次項で説明します。

指値の方法

購入したいと思える物件だけれども、物件価格が見合わないという物件の場合は、自分の希望価格を伝えてみましょう。

このとき、不動産屋と、その向こうにいる売主さんにも配慮しながら、理由をきちんと説明して自分の希望を伝えます。

効果的な流れはこんな感じです。

仲介・売主への希望価格の伝え方の手順
  • 物件をほめる
  • 希望価格の理由を伝える
  • 瑕疵担保免責(物件にたとえ大きな不具合があっても、文句は言いません)でOKと伝える
  • 現金で購入すると伝える

まずは物件がいいなと思ったことを、素直に伝えます。実際に買いたい物件だと思ったから購入を希望するわけなので、どの部分が特に良いと思ったかを具体的に伝えることともに、ぜひ譲ってほしい、という意思表示をしましょう。自分の物件をほめられて、誰も悪い気はしません。

そして次に、この物件はこの部分に修繕が必要になりそうで、投資目線だと採算が合わなくなってしまうので、物件の金額はこのくらいで相談できないでしょうか?と希望を伝えてみましょう。

その時、「どんな不具合があったとしても、すべてこちらで対処することを約束します(瑕疵担保免責)」、と宣言しましょう。ここは売主さんが一番安心するポイントです。基本的には、購入前からあった不具合は、売主さんの責任を問うこともできるのですが、ここを免除することで売主さんのリスクも軽減されるからです。

私も戸建を売却したことがあるので、売主の気持ちがわかります。

そして、最後に念押しで、「売ってくれるのであれば、すぐにでも買う準備はできています」、と意思表示も込めて、現金払いで購入する、ということも伝えましょう。

これらを仲介さんにきちんと伝えることで、仲介さんも協力してくれやすくなります。

仲介さんの心理・・・
正直、仲介さんもボロ戸建のような儲けが少ないけれど問い合わせが多くて対応が面倒な物件は、早く手を放したいと感じています。買主がしっかりした人であれば、売主さんにも安心して購入希望者が現れたと伝えられますし、こちらが希望する値引き交渉にも味方してくれやすくなります。

まとめ

ボロ戸建投資の購入方法をまとめてみました。

これまで書いたことは基本ではありますが、これらを参考に、とにかく足で稼ぐ、頭を使う、継続することに尽きます。

ボロ戸建投資の流れの中でも、物件購入が一番難しいと思います。逆に、購入する物件さえ間違えなければ、ボロ戸建投資は成功したようなものです。なかなか買えないからと焦って妥協した物件を買ってしまい、あとで苦労しないよう、特に1棟目はこれだ、と思える物件に出会えるまで、根気よく探してみてください。

修繕編に続きます。

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