空き家物件を購入したら、次は人が住める状態まで修繕していきましょう。
ボロ戸建投資は、購入した後に大きな問題が発覚したり、思ったより修繕個所が多かったり、修繕しているうちにここも、あそこも修繕したほうがいいよな、という気持ちになったり・・・。本当にいろいろ出てきます。
この修繕編では、
- 最低限の費用で空き家を再生する方法
- 修繕したほうが良い部分と費用感
- DIYを取り入れたほうが良い部分
を理由とともに紹介していきます。
工務店に修繕を丸投げすると高くついてしまいますし、DIYばかりやっていると、なかなか物件が完成しません。費用対効果を意識して、外注とDIYをうまく取り入れつつ、どんな場所にどんな修繕をしたらよいかを見ていきましょう。
最初は修繕の加減の仕方や、費用感を見積もるのは難しいです。でも、1度経験すると、次回以降はより正確に見積もれるようになったり、より楽に・速く・安く修繕ができるようになります。そうなるとより利回りが上がり、利益も出せるようになるので、がんばりましょう。
修繕個所の見分け方
修繕個所をするにあたり、どこは修繕すべきか、どこは修繕しなくてよいか、最初にはっきりさせておくことが肝心です。
ボロ戸建はボロいので、修繕を進めてきれいになると、今度はそこまで気にならなかった部分が気になり始めます。ここもあそこもどうにかしようとすると、永遠に修繕が終わりません。
狙った家賃で貸せる状態になればいいわけなので、修繕する・しないの線引きはしっかりしましょう。
なぜ修繕しなければいけないのか?を考えよう
まず、常に頭に置いておいてほしいのは、その物件は「自分が住む家ではない」ということです。
自分で住むとなると、自分にとってどうしたら快適か?より便利になるか?よりおしゃれか?といったことを考えてしまいますよね。
使い勝手のいいシステムキッチンを入れたり、建付けの悪いふすまや建具を交換したり、古い家特有のゆがみや傾きを直そうと床全体を平らにする補正の修繕をしたり・・・。
入居者のことを考えると、非常に良いことだと思いますし、程度がひどいと必要な場合もあるかもしれません。
でも、そもそも購入した物件には、1組しか入居しません。
古くても、多少難があっても「この家に住みたいです」、と言ってくれる入居者が1組いればよいわけです。
そしてその人はたいていは、戸建特有の独立した空間や、広さ、周辺の公共施設や商業施設などの利便性、職場への距離、子どもの保育園や学校への距離、そしてそれに対する家賃の効果などで物件を気に入ってくれるはずです。
けしてボロ戸建に新築と同様の頑丈さ、グレードの高い設備、おしゃれさを必須条件として求めることはありません。もしそのような人が来たら、「ご希望に合うほかの物件を探してください」と言ってしまったほうがよいです。
しかし、忘れてはいけないのは、「古くてもよいけど、清潔感はある」ということです。
世の中に汚い物件でも問題ない、という人は、中にはいます。ただ、その場合は家賃も極端に下げることになるでしょうし、利回りも下がります。そのような物件に住む人は家賃を滞納したり、部屋を極端に荒らしたり、最悪夜逃げしたりするリスクが高いです。
そうならないよう、
- 家賃は安すぎない金額を設定できるようにする
- 古いけれど清潔感を出すことで入居者の質を担保する
- 住んだ後に文句を言われない程度には整えておく
といったことを心がけましょう。
では、次に、具体的にはどんなところを修繕したらよいかを見ていきます。
この部分の修繕は必要?不要?
①お風呂の修繕
ざらざらした壁にタイル張りやペンキが塗ってあり、床がタイル、銀色や水色などの浴槽といったお風呂を、おばあちゃんの家などで見たことがある人もいるのではないでしょうか。
これは在来風呂といって、日本に古くからある、今主流のユニットバスよりも古い型式のものです。このお風呂の壁や天井にはカビが生えたりしていることもあるので、お風呂用のペンキを塗るなどしてきれいにしていきます。
また、上張りするとユニットバス風になる壁タイルもあります。こちらは少々値が張ります。
床も、特にタイル張りの場合冬は冷たいですし、清潔感が欠ける面からも入居者には不評です。タイルの上にすのこを敷いて使う場合、すのこやタイルがカビて不衛生ですし、すのこの交換を大家側に求められたりします。
風呂の洗い場用床マットがあるので、こちらをタイルの上から貼ると、冬でも暖かくお風呂に入れます。しかも明るい色が多いので、清潔感も演出できます。
もともとユニットバスの場合はラッキーです。カビなどは徹底的に洗い落とせば大体は綺麗になります。
もし、浴槽の湯垢のこびりつきなど汚れがあり落ちない場合は、浴槽用のペンキもあるので、施工を検討しましょう。
だいたい使用期限が切れていることが多いかと思います。給湯器の交換は、投資物件数が増え、なじみのプロパンガス屋さんができてきたりすると、支給してくれたりします。ちなみに、給湯器以外にエアコン・インターホンなどもお願いできます。ですが、最近この支給の慣習が見直されつつあります。
それ以外に給湯器を安く交換する方法としては、ジモティーやメルカリで給湯器を安く出している先を探し、同じくジモティーで施工してくれる人を見つける方法です。この場合、給湯器が完全に新品ではなかったりしますが、新品でお願いすると10万円~かかるところ、全部で5万円くらいで交換できたりします。
②キッチン
ステンレス部分に多少のサビ浮きや焦げつきがあっても、まだまだ使える、というレベルであれば、清掃で十分です。
クレンザーや研磨剤でできる限り綺麗にしていきましょう。
表面は綺麗だけど、引き出しの中に黒っぽいしみがこびりついていることがありますが、これはゴキフンです。この場合は、引き出しの中の壁面の張替えや上張りができる場合は、実施しましょう。
施工前にきちんと消毒しましょうね!
③洗面台&鏡・棚セット
古い家の洗面台は、黄色くくすんでいることが多いかと思います。もともと真っ白ではなく、クリーム色やピンクのような色合いのことが体感的に多いです。こちらは真っ白のほうが清潔感があって断然受けが良いですし、値段もそんなに高くないので、まだ使えるよなあ・・・くらいのレベルであっても、交換がおすすめです。
④トイレ
田舎や調整区域というのどかな地域だと、ぼっとん便所の物件も割と多いです。
ぼっとん便所とは、一定期間排泄物を便所の下にある穴の中(肥溜めですね)に貯めておき、排泄物がたまってきたらバキュームカー等で回収してもらう仕組みのトイレです。このぼっとん便所は、現在新築で家を建てるときには新設することはできないものですが、昔の家ではまだ残っている場合があります。
こちらは浄化槽という排泄物を浄化する設備を地中に埋め込む工事もありますが、金額が70万円くらいからかかってしまいますので、現実的ではありません。
前面道路に下水管が来ている場合もあるので、つなげることもできますが、これも水周りの位置関係によって難しいことが多く、費用がかかります。
ここはぼっとん便所のままでいくのが得策です。
しかし、本当に床にぽっかり穴が開いているような和式のぼっとん便所の場合、入居付けには非常に苦労することでしょう。
簡易水洗トイレというものがあり、見た目は普通の洋式トイレのようにすることができます。トイレの段差の有無などにもよりますが、商品+施工で15万円くらいから可能です。
簡易水洗の仕組みは、肥溜めに通じる穴に普段はふたがしてあり、水洗トイレと同じく水が溜まっています。用を足して水を流すと、ふたがパカッと開き、排泄物が肥溜めに流れる、という仕組みです。肥溜めからのにおいが上がってくるのも防げますし、簡易水洗であれば入居付けの難しさも軽減されます。
和式の水洗トイレも不人気の代表格です。これを洋式トイレに換えようとすると、床を全面的に壊す必要があるため、25万円くらいから費用がかかってきます。しかし、家賃にも影響がある部分なので、可能であれば洋式に換えるのがよいです。
和式を様式にするのが予算的に厳しい場合、「おまる」が代用できます。おまるは介護用品で、和式トイレにかぶせると洋式トイレ風になる、という代物です。5,000円とくらいからと低価格で購入できますし、結果的に座って用を足す、和式特有の排泄物の跳ね返りを軽減するという目的は果たせるので、検討の余地ありです。
私も最初はあまり予算がなかったのでおまるで代用し、最近退去のタイミングで洋式トイレにリフォームしました。和式→様式にする家賃アップの効果は3,000~5,000円程度とみています。
25万円の工事で家賃UPが3,000円だと7年かかる計算ですが、途中で収益物件として売却することを考えると、お金のかかる箇所の修繕がしてある状態だと、高く売れたりします。トータルで戦略的に考えましょう。
⑤室内の壁
和室が古い砂壁や綿壁などの場合や、洋室でもベニヤのような壁の場合、壁紙であってもくすんでいたり家具の跡や日焼けが目立つ場合は、ぜひ壁紙やペンキ、漆喰等の施工がおすすめです。
壁は家の中で最も面積が広い部分なので、きれいだと家全体がきれいに見える効果があります。オススメは、壁はすべて白くしてしまうこと。室内が広く・明るく見えます。
入居者が好みの内装や家具を選んだりするにも、白い壁のほうが自分好みにしやすいです。
壁の貼り換えや漆喰塗りは、自分でDIYできるようになると、数十万円→数万円で済むくらい、大幅なコストカットが期待できます。戸建は面積が広いので、張り替えは手間がかかりますが、慣れれば簡単ですので、ぜひ挑戦してみてください。
黙々と作業するのが苦しい人は、ジモティーで「DIYを手伝いに来ませんか?不動産投資のお話しできます!」というかたちで仲間を募集するのもアリです。
劣化してぽろぽろ落ちてくることも多いです。その場合、ベニヤ板などを上張りし、その上から壁紙を張る方法が一番きれいに仕上がりますが、DIYでは資材を仕入れたり、搬入したりするのに軽トラックが必要だったり、何かと面倒です。業者に施工をお願いすると、安くても最近は1,000円/㎡くらいからかかります。
オススメは、やはり自分でDIYすることです。
砂壁や綿壁の場合、まずはアク止めシーラーという液体を塗り、その上から漆喰を施工するのが、一番コスパが良いです。シーラーは5リットル5,000円くらい、漆喰は粉上のものであれば20㎏5,000円くらいで購入できます。
アク止めシーラーは、劣化した砂壁や綿壁を固めたり、その上に施工する壁材に、アクという茶色いシミが染み出してくるのを防ぐ働きがあります。これをしないと最終的な壁の仕上がりが汚くなってしまうので、必ず施工しましょう。
こちらは壁の上から直接壁紙を施工するか、もしくはペンキを塗るのもよいです。壁紙は糊付きで20m8,000円程度(糊なしは糊付け専用機械が必要なので、必ず糊付きを。)、ペンキは1部屋分であれば2~3000円もあれば購入できます。
特にペンキや漆喰を施工するときは、必ずマスキングテープで柱や施工しない壁や床を養生(覆い)しましょう。面倒ですが、これをしないと後がもっと面倒です・・・。
私は養生を怠ったことで何度も後悔しています・・・。
⑥室内の床
最もコストを抑えられるのは、畳に目立ったへこみなどがなく平らであれば、畳の表面だけを貼り換える方法です。1枚3,000円程度から貼り換えできます。
一方、畳は古臭いし退去時にお金がかかるなどの理由で、入居者に人気がありません。できれば洋室にしてしまったほうがよいです。その場合、畳の撤去費用(1,000円/枚)、下地の施工費用(7万円/室~)、クッションフロアの施工費用(4,000円/㎡~)などがかかります。全部外注すると、1部屋で15万円くらいからかかってきます。
オススメは、畳はジモティーで欲しい人を見つける、電動のこぎりなどで細かく切り刻んで燃えるごみで捨てる、クッションフロアはDIYする、です。クッションフロアは200cm×90cmで1.5万円くらいから、ボンドは10kgで5,000円くらいから購入できます。
下地の施工費用も大工さん次第なところがありますので、10万円以内に抑えることも可能です。
工夫してコストカットしていきましょう。
すでにフローリングなどの場合は、張替え不要です。
ニスやワックスを塗っておくと、きれいになります。
汚れが気になるようであれば、直接クッションフロアを施工していきましょう。
⑦外壁・屋根塗装
古い家は外壁や屋根の塗装が劣化していることが多いですが、基本的に雨漏りさえなければ、無理に塗り替えする必要はありません。
ただし、最初から長期保有が目的だったり、物件のグレードを上げることで家賃を上げたいなどのおもわくがあるときは検討しましょう。
壁を指でなぞると、チョーキングと言って白い粉が付くことが多く、これが外壁塗装劣化のサインです。
もし、2階建ての家の外壁塗装をするという場合は、大体60万円~費用がかかります。足場代が12万円からと高いことと、塗装も何回塗りか、使うペンキの種類によっても金額が変わってきます。
どの業者さんにお願いするかによって、金額が数十万円単位で変わってくるので、相見積もりは必須です。
なるべくたくさんの業者に見てもらい、内容のよい施工を安くやってくれる先を探していきましょう。
⑧外構・庭
田舎物件の場合、物件の外回りに草がぼうぼうに生えていることも多いです。ここは自分で草むしりをしましょう。
そして、思ったより庭が広い場合は、庭にしておくよりは駐車場にしてしまったほうが良いです。その場合はなるべく植木など障害物がある場合は撤去しましょう。
田舎の庭の広い家にありがちなのが、庭石です。この庭石は、ジモティーに出しておくと、一定数欲しいという人がいます。少し時間がかかるかもしれませんが、撤去をお願いすると莫大な費用が掛かるので、欲しい人に無料であげる、という方法が得策です。
外構工事はお金がかかるので、無理に塀を壊したり、砂利を敷き詰めたりする必要はありません。あくまで庭となっている部分に無理なく車が入れそうな場合は、駐車場としたほうが、入居率アップが期待できます。
⑨その他
- 網戸は、破れていると入居者から連絡が来やすいので、必ず穴が開いていないか確認し、空いていた場合は貼り換えましょう。
- 押入のふすまは、ボロボロで建付けが悪くなっていることも多いです。その場合は、襖を撤去し代わりにロールカーテンなどを吊り下げたり、もしくは襖なしでも、意外と入居に響きません。
- 玄関扉は、木製でボロボロになっている場合はペンキやニスを塗るのが有効です。物件の顔となる部分なので、玄関扉をきれいにしておくと、室内に入ったときの印象も一層際立ちます。
- 照明は、できればリモコン式のシーリングライトにしてあげるのがよいです。5,000円くらいから購入できます。そこまで金額が高いものでもないので、おしゃれなものを選んでもよいかもしれません。
- 天井は、ヤニなどが目立つ場合は壁紙を貼るか、ペンキを塗るかしましょう。大変なので、程度がひどくない場合はクイックルワイパーでほこりを取り払うくらいで大丈夫です。(天井のペンキ塗りも壁紙貼りもやったことがありますが、1日上を向きっぱなしで首がどうにかなるかと思いました。)
- 踏みしめると床が緩い、抜けそうなところの補強は、きちんとやりましょう。大工さんにお願いすると、部分的に床を切り取り補強してくれます。その上からクッションフロアを貼る予定がない場合は、ペンキやニスを塗ったりすると後が目立たなくなります。
次に、DIYで修繕が難しい部分を施工してもらう、修繕業者さんの探し方を見ていきます。
修繕業者の探し方
①理想の修繕業者さんとは
結論から言うと、あまりお金がかからずにやってほしい修繕をやってくれる人、です。
- 個人で営業している
- 設備の修繕、大工ができる
- 1日の日当でお願いしたことをやってくれる
- 真面目で柔軟性があり、器用
- 軽トラックを持っている
こんな人だと、融通が利きますし、スキルの範囲も広く、知識と経験から工夫してよりお金をかけずに修繕してくれる方法を提案してくれたりします。
さらに1日当たりの日当でなんでもやってくれる人だと、いろいろな修繕をまとめてお願いできるので、結果的に費用が非常に安く済みます。
軽トラックを持っている人であれば、資材をホームセンターで買ってきてもらったり、修繕で出たごみの処理場への搬入もお願いすることができます。
私は、上記のすべてに当てはまり1日あたり1.5万円でなんでもやってくれる設備屋上がりの大工さんを見つけた結果、和室→洋室化の下地つくり3部屋、キッチンと洗面台の入れ替え、緩くなった床の補修、建付けの悪い家具の調整、ごみの撤去などを3日間でお願いし、大工費用や設備取り付け費用を5万円以内に抑えることができました。※材料費はもちろん別
ここまで低コストな業者さんはなかなかいないですが、普通の工務店等にお願いするより費用を抑えられる業者さん探しの方法を紹介します。
②物件を購入した不動産屋さんに修繕業者さんの知り合いがいないか聞いてみる
ここでいう不動産屋さんとは、個人でやっているような不動産屋さんをイメージしてください。
大手の不動産屋さんの場合、工事部門があったりしますが、それだと見積もりに不動産屋さんの紹介料や手数料が20%ほど乗ってくることも多いです。
あくまで小さな不動産屋さんの社長さんの知り合いに、懇意にしている大工さんや設備屋さんがいるか、という話です。
その不動産屋さんも、物件を自ら再生・再販してその差額を儲けにしていたりするので、いつもお願いしていて安くしてくれる大工さんなどがいる可能性があります。
特に開業して間もない不動産屋さんの場合、あなたが物件を購入してくれて、しかもリピーターになってくれる可能性があるお客さんであると認識しているので、大切にしたいと思っているはずです。
修繕を安くやってくれる業者さんがいないか、積極的に聞いてみましょう。
ちなみに、こういった不動産屋さんには規模が小さく儲けが少ない物件や、仕掛中の物件が多い場合はそのまま売りに出したりするので、そういった物件があったら紹介してくださいね、と常日頃からネゴっておきましょう。
③ネット検索・暮らしのマーケット・ジモティーで探す
オススメは、ジモティーで個人の大工さん・設備屋さんを探す方法です。
物件から比較的近い地域を営業エリアにしている業者さんをあたってみましょう。メッセージを気軽に送れますし、フットワークが軽いとすぐに物件まで見に来てくれます。そこで条件を交渉してみてください。
HPのある業者さんは、会社組織でやっている場合が多いです。規模がそれなりに大きいため、業者さんが違う業者さんに外注していたり、請負金額がパッケージ化されていたりして融通が利かないことも多いです。ピンポイントの修繕で他よりも安くやってくれそうな場合等、相談してみるのが良いかもしれません。
また、暮らしのマーケットなどもジモティー同様業者さんを探すことができますが、暮らしのマーケット自体が掲載者から手数料を取っているので、その分工事費用は本来よりも上乗せされる可能性はあります。
④物件の近くのエリアで工事をしている業者さんに声をかける
普段から、狙ったエリアや物件の近所で住宅の修繕をしている業者さんを見つけたら、名刺をもらっておきましょう。
住宅を建てるとき、そのハウスメーカーの社員が家を建てているということはほぼありません。そのハウスメーカーと提携している子請け・孫請けの工務店や大工さんが、実際の施工を請け負っていることがほとんどです。その場合、子請け・孫請け会社は親会社へマージン(仲介料・手数料)を支払っています。
このマージンの比率が高く、大工さんたちの手元にはあまりお金が残っていない、ということもあるかもしれません。
なので、ハウスメーカーの仕事を請け負うより、自分たちがお客さんと直接取引ができたほうが、自分たちの利益も大きく取れ、かつお客さんにとっても安いということが起こりえます。
業界の仕組みも念頭に置きつつ、業者さんと直接取引を試みましょう。
⑤ホームセンターで大工さんをスカウトする
これは、私が修繕を安くやってくれる大工さんを見つけた方法です。
セメントコーナーをガン見していたら、
なんかずっといるけど、何見てるの?
と声をかけられました(笑)
古い家を買って直そうとしているんですけど、このセメントであそこをこうしたらいいんじゃないかと思ってかくかくしかじか・・・
(素人がやべーこと言ってる気がする)俺このあたりの家でリフォームしてるんだけど、もうすぐ終わるからちょっとみてやろうか
いいんですか?ありがとうございます。お願いします!
こんな感じで大工さんを物件に連れ込むことに成功しました。
この大工さんは、平日は設備関係の会社に勤めていて、土日は個人で大工や設備の仕事を請け負っていること、金額は他でも1日1.5万円でやっているので同じでいいといってくれ、晴れて専属(?)大工さんとなりました。
戸建は3物件ほどこの大工さんにお世話になっています。
1つの修繕業者さんが、必ずしも物件のすべての個所を手掛けることができるわけではないので、屋根は屋根業者さん、水道は水道業者さん、という風に得意分野ごとに発注していきましょう。これがすべて請け負うことができる工務店さんだと、コーディネート料みたいなものも費用が乗ってくるイメージです。
できれば、自分が一次発注者となることで、外注費が抑えられます。
あとは、材料は可能な限り自分でそろえて、施工だけしてもらう状況にする、など(分離発注と言います)工夫することで、さらにコストが抑えられます。
よい業者さんに出会えるまで、最初は根気強く探しましょう。
火災保険には必ず入っておこう
買った直後の物件の修繕には基本的に利用できませんが、何かあったときに役立ちます。
私も物件の壁に車をぶつけられてサイディングに穴が開いたことがありますが、補修は火災保険で全額賄うことができました。
火災保険は物件を購入した直後に必ず入っておきましょう。
火災保険加入のメリット
- 自然災害・人的災害時の修繕費用が賄える。
ボロ物件はボロいので、自然災害でどこかが壊れるリスクが特に高いです。保険に加入しておくことで、修繕費用の負担が抑えられます。
- 物件の破損で他人に与えた損害を賄える
修繕そのものも大きいですが、一番最悪なのは、自分の物件のせいで人に危害が加わることです。
例えば台風で屋根の一部が吹きとび、それが隣人の車に当たり、車の修繕費用が発生したり、もっと悪いと人に当たってけがをさせるといったパターンです。人に危害を加えること自体あってはならないことですが、そこで生じた金銭面の負担は保険でカバーできます。
火災保険加入のデメリット
- そこまで保険金が必要な場面は多くはない
保険金を使用しなければいけない事態はないほうがよいのですが、保険料を支払っている反面、もったいないような気はしてしまいます。
- 火災保険料が高い
2022年10月から、保険料が値上がりしました。現在保険に加入しようとすると、かなり高いと感じることが多いと思います。
私は10年間一括で払い込みをしている物件が多いですが、9万円~15万円の間くらいでした。今は同じ条件でも12~20万円くらいはする印象です。
- ボロ戸建は火災保険に加入できない場合がある
最近の風潮として、古すぎる物件は火災保険に入れないことがあるようです。これはかなり痛いです。
どの保険会社に入るべきか
正直、保険商品自体はどこもそこまで大差はありません。
なので、商品の差というよりは、保険金を申請した時に速やかに保険金が支払われるかどうか、という部分のほうが重要です。
これは、保険会社自身の支払いが速やかかどうかということもありますが、どちらかというと保険代理店が信用できるかどうか、ということのほうが大きいと思います。
保険に加入するときは、たいていは保険代理店を通して加入します。
この保険代理店が、例えばいろいろな保険を扱っている街中の保険代理店屋さんの場合、保険には詳しくても、修繕についてはあまり詳しくありません。
一方で、仲の良い不動産屋さんや修繕業者さんが保険の代理店を兼務していることが多いです。
ここで懇意にしている業者さんを代理店として保険の加入を申し込むと、もし何かあった場合に不動産屋さんや修繕業者さんに直接修繕内容を相談できたり、助言をくれたりします。
保険の申請の際も、わからない部分を直接聞けたりするので便利です。
代理店兼修繕担当として、保険会社とのやり取りや交渉も行ってくれます。
ちなみに、街中の保険屋さんでボロ戸建の保険に加入しようとする場合、大手の保険会社への加入を断られることがあります。
その点でも、不動産屋さんや修繕業者さんが代理店をしている保険会社は大手のことが多いので、安心して加入することができます。
まとめ
ボロ戸建の修繕編を見てきましたが、いかがだったでしょうか。
利益を最大化するために物件購入の次に大事なのが、修繕です。やり方次第で、下手すると2倍以上コストに差が出ることもあります。
ボロ戸建は1か所綺麗にすると、ほかの汚い場所が気になってきて修繕に際限のない状態になってしまいます。修繕する箇所・しない個所を明確にする、修繕しないと決めた個所はいじらない、とあらかじめ決めておき、やりすぎには注意が必要です。
一方で、手をかけなさすぎなのは、それはそれで問題です。汚い物件は、入居募集に苦労します。結果的に低家賃でしか貸せませんし、悪質な入居者を招きます。
でも、修繕は一度経験してしまうと、次の物件にも活かせるのが良いところです。それに、修繕はとにかくあの手この手で工夫して、安くし上げていく必要がありますが、そのために非常に頭を使います。
私はボロ戸建投資により頭が良くなり、会社員のほうの仕事の進め方もうまくなった気がします笑
DIYは慣れないとなかなか進まずちょっと大変ですが、普段デスクワークが多い人にとってはいい運動になります。痩せるし筋力が付きます。
多分、1日中DIYをやっていたら、2,000回くらいはスクワットの動きをすることになります。腕も動かすので、かなりの全身運動でダイエットに効果的です。(多分!)
こんな大変だけど良いところもたくさんあるボロ戸建投資修繕、ぜひ楽しみながらいろいろ頭を悩ませてみてください。
次はボロ戸建投資~客付け・管理編~です!