スーパーに買い物に行ったとき、入口の近くにパン屋さんがあったり、スーパーの建物内や隣に専門店が並んでいたりするのを見かけたことはありませんか?
「スーパーでもパンを売っているのに、なぜわざわざパン専門店を隣に入れるんだろう?」
そんな疑問を持ったことがある方もいるかもしれません。
一見すると、同じ商品を扱う店舗同士は「競合」に見えます。
しかし、店舗の立地やテナント構成という視点から見ると、同じカテゴリーの商品を扱う店舗が近くにあることが、必ずしもマイナスになるとは限りません。
今回は、スーパーとパン専門店を例に、店舗同士の関係と、商業施設におけるテナント配置について考えてみます。
スーパーにもパンがあるのに、なぜパン専門店が隣にある?
スーパーには、パン、肉、魚、惣菜、飲料など、日常生活に必要な商品が一通りそろっています。
当然、パンも販売されています。
それなのに、スーパーの入口付近や隣接区画にパン専門店が出店していることがあります。
一見すると、
「同じパンを売っているのだから、お客さんを取り合うのでは?」
と思ってしまいますよね。
ところが、実際には両者の役割が少し違います。
スーパーが提供するもの
スーパーでは、
- 日常の買い物
- 食料品のまとめ買い
- 品揃えの豊富さ
- 買い物の便利さ
などが重視されます。
一方、パン専門店では、
- 焼きたて
- 専門店ならではの商品
- 素材や製法へのこだわり
- 店舗そのものの魅力
- 「今日はこれを買ってみよう」という発見
などが価値になります。
つまり、同じ「パン」を扱っていても、お客様がその店舗を利用する理由が異なる場合があります。
「競合」ではなく「相乗効果」になることも
例えば、スーパーで買い物をしているとき、焼きたてパンの香りがしてきたらどうでしょうか。
予定にはなかったけれど、
「ちょっと見てみよう」
と思うかもしれません。
そして店頭の商品を見て、
「おいしそうだから、明日の朝食用に買っていこう」
となることもあります。
これは、パン専門店がスーパーのパン売場と単純にお客様を奪い合っているだけではなく、スーパーを訪れたお客様に新しい購買機会をつくっているとも考えられます。
逆に、パン専門店を目的に訪れたお客様が、そのついでにスーパーで買い物をすることもあります。
このように、店舗同士が近くにあることで、お互いに集客や回遊を生み出すケースがあります。
商業施設では「どんな店を入れるか」が重要
これは、商業施設のテナント構成を考えるときにも関係します。
商業施設にとって重要なのは、単純に「有名なお店をたくさん入れる」ことだけではありません。
例えば、
日常的に利用する店舗
↓
目的を持って訪れる専門店
↓
飲食店やサービス店舗
というように、異なる目的を持つ店舗を組み合わせることで、施設内を回遊してもらいやすくなることがあります。
一つの店舗を目的に来たお客様が、別の店舗にも立ち寄る。
その結果、施設全体としての滞在時間や利用機会が増えていく。
これが、商業施設におけるテナント同士の相性の一つです。
「隣に何があるか」も店舗物件選びの重要なポイント
店舗を出店するとき、
「駅から徒歩何分か」
「賃料はいくらか」
「何坪あるか」
といった条件はもちろん重要です。
しかし、それだけではありません。
その店舗の周囲に、どんなお店があるのか。
これも非常に重要なポイントです。
例えば、同じ飲食店でも、
- オフィスが多いエリア
- 住宅が多いエリア
- 商業施設の中
- 駅前
- ロードサイド
- 観光地
では、来店するお客様の目的や時間帯が変わります。
さらに、隣接する店舗によっても人の流れは変わります。
「隣に競合店があるからダメ」
と単純に考えるのではなく、
「その店舗があることで、自分の店にどんなお客様が流れてくる可能性があるか」
という視点も必要です。
人気の物件=自分の店に合う物件、とは限らない
店舗物件を探していると、
「駅から近い」
「人通りが多い」
「有名な商業施設に入れる」
といった条件に目が向きやすくなります。
もちろん、それらは大切な要素です。
ただし、店舗は業種によって必要な立地条件が大きく異なります。
例えば、同じ飲食店でも、
- ランチ需要を狙う店舗
- 夜の利用が中心の店舗
- ファミリー向けの店舗
- テイクアウト中心の店舗
では、必要とする立地が違います。
物販店やサービス店舗でも同様です。
そのため、店舗物件を選ぶときには、
「人気の場所かどうか」だけではなく、「自分の店舗にとって相性の良い場所かどうか」
を見ることが大切です。
出店するなら「周辺店舗」まで見てみる
物件を内覧するとき、建物の中だけを見て終わりにしてしまうのは少しもったいないかもしれません。
ぜひ、物件の周辺も歩いてみてください。
例えば、
- 隣にはどんな店舗があるか
- 周辺に同業種は多いか
- どんな客層が歩いているか
- 昼と夜で人の流れは変わるか
- 近くに集客力のある店舗があるか
- 施設内で人がどのように移動しているか
などを実際に見てみると、募集図面だけでは分からないことが見えてきます。
店舗物件は、「箱」だけを見るのではなく、その周辺環境まで含めて考えることが大切です。
店舗仲介では「物件」と「テナント」の相性を見る
店舗専門の不動産仲介では、単純に物件をご紹介するだけではなく、
「このテナント様には、この物件が合いそうか」
「この物件には、どのような業種が合いそうか」
という視点も重要になります。
オーナー様にとっては、物件の立地や特性に合ったテナントに入ってもらうことが、長期的な賃貸経営につながる可能性があります。
一方、テナント様にとっては、自分たちの業態や出店計画に合った場所を選ぶことが、店舗経営を続けていくうえで重要になります。
だからこそ、店舗仲介では、
「空いているから貸す」
「条件が合うから借りる」
だけではなく、
「この物件と、このテナントは相性が良いか」
という視点も大切なのではないでしょうか。
「隣に競合がいるからダメ」とは限らない
スーパーの隣にパン専門店がある。
最初は少し不思議に感じるかもしれません。
しかし、店舗の立地やテナント構成を見ていくと、
「同じ商品を扱っている=必ず競合する」
とは限らないことが分かります。
お互いの店舗が異なる価値を提供していたり、同じ施設を訪れるお客様の回遊を生み出したりすることで、店舗同士が共存できる場合もあります。
店舗物件を探すときには、賃料や広さだけでなく、
「周りにどんな店舗があるか」
「その店舗と自分の店はどのような関係になりそうか」
という視点から周辺を見てみるのもおすすめです。
店舗の立地には、数字だけでは分からない「相性」があります。
彩天堂では、店舗を「借りたいテナント様」と「貸したいオーナー様」の双方の立場から、店舗物件についてご相談を承っています。
「この物件は自分の業態に合っている?」
「周辺の店舗との相性はどうだろう?」
「これから出店するなら、どんな場所を探せばいい?」
そんな段階からのご相談でも構いません。
東京下町を中心に、店舗専門の不動産会社として、物件探しから条件交渉、契約までサポートしています。
店舗の出店・テナント募集について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
店舗に関するご相談・お問い合わせ
株式会社彩天堂では、店舗を「借りたい方」「貸したい方」それぞれのご相談を承っています。
