ロードサイド店舗物件を探してみた|現地調査でわかった出店時の注意点

店舗物件を探しているテナント様から、よくご相談いただく条件のひとつが「ロードサイド店舗」です。

ロードサイド店舗とは、幹線道路や生活道路など、車でのアクセスがしやすい道路沿いにある店舗物件のこと。

飲食店や物販店、サービス店舗などでは、

  • 駐車場が確保できる
  • 車で来店しやすい
  • 大きな看板を設置しやすい
  • 視認性が高い

といった点が出店のメリットになることがあります。

特に、建物面積が50坪以上あり、駐車場も30台前後確保できるようなロードサイド店舗は、出店を希望するテナント様から人気の高い物件です。

そこで今回は、私自身が実際に車で街を走りながら、ロードサイドの店舗物件を探してみた一日の様子をご紹介します。普段は1都3件をあたることが多いのですが、今回は北関東まで足を延ばしてみました。

目次

「空いている店舗=借りられる店舗」とは限らない

車で郊外を走っていると、数kmにわたって店舗が続く、にぎやかな道路を見つけました。

飲食店や物販店などが並んでいて、中には空き店舗らしき大型の建物もあります。

「ここなら店舗物件が見つかるかもしれない」

そう思い、後日あらためて同じ道路を訪れてみました。

車を走らせていると、まず目に入ったのがコンビニ跡と飲食店跡。

どちらも独立した建物のロードサイド店舗で、駐車場も十分にありそうです。

コンビニ跡には不動産会社の看板が出ていたので、さっそく電話で問い合わせてみました。

すると、テナント募集をしているとのこと。

これは期待できそうです。

ところが、詳しく話を聞いてみると、少し事情が違いました。

ロードサイド店舗でも「市街化調整区域」という壁

その物件は、市街化調整区域にあるとのことでした。

市街化調整区域では、一般的な市街化区域とは異なり、建築や土地・建物の利用について一定の制限があります。

そのため、

「空き店舗があるから、そこを借りて好きな業種の店舗を営業できる」

とは限りません。

今回問い合わせた物件についても、もともとの建物や営業形態との関係から、希望する業種でそのまま営業できるかどうかは慎重な確認が必要な状況でした。

不動産会社の方からも、行政への相談や必要な手続きが関係する可能性があり、希望する営業ができるかどうかについては、事前に確認が必要とのこと。

立地としては非常に魅力的だったのですが、すぐに「この物件で決まり」とはいかない物件でした。

店舗物件では、家賃や広さ、駐車場だけを見て判断するのではなく、

「その場所で、希望する業種の営業ができるのか」

という視点がとても重要です。

今回はいったん保留にしました。

次に見つけた店舗物件は「区画整理」の対象

気を取り直して、次の空き店舗を探します。

先ほどのコンビニから数分ほど走ったところに、飲食店跡の物件を発見。

こちらにも不動産会社の看板が出ていたため、問い合わせてみました。

すると、今度は「区画整理に関係するエリア」とのこと。

周辺を見渡すと、草むらのようになっている場所もあり、よく見るとガソリンスタンド跡と思われる建物もありました。

以前は複数の店舗が営業していたものの、現在は整理の対象となっているようです。

一見すると、

「ここにも店舗があるのだから、借りて営業できるのでは?」

と思ってしまいます。

しかし、店舗物件は建物が存在しているだけでは判断できません。

都市計画や土地の状況、建物の状態、現在の用途など、さまざまな事情を確認する必要があります。

「空き店舗」を見つけても、すぐには募集物件とは限らない

その後も車を走らせていると、コンビニのような建物を3区画に分けて使用している物件を見つけました。

そのうち2区画は室内がビニールで覆われていて、空いているように見えます。

そのうち1区画は、つい最近閉店したばかりのようでした。

「もしかしたら、まだ市場に出ていない物件かもしれない」

そんな期待をしながら、残りの区画で営業している方に話を聞いてみました。

すると、

「これからうちで1棟まるごと使う予定なんですよ」

とのこと。

残念ながら、テナント募集の物件ではありませんでした。

物件探しをしていると、こういうこともあります。

外から見ると「空いているように見える」建物でも、

  • これからオーナーが使用する
  • 既存テナントが拡張する
  • 売却予定になっている
  • 建物自体を取り壊す予定がある
  • そもそも賃貸する予定がない

など、実際の事情はさまざまです。

一番気になっていた大型の飲食店跡にも問い合わせ

さらに車を走らせ、以前から一番気になっていた、比較的規模の大きな飲食店跡へ。

ここにも不動産会社の看板が出ていたため、問い合わせてみました。

ちなみに、最初に問い合わせたコンビニ跡と同じ不動産会社でした。

期待しながら話を聞いてみたところ、こちらも市街化調整区域にある物件とのこと。

やはり、希望する業種での出店については慎重な確認が必要な物件でした。

立地も建物も魅力的だっただけに、少し残念です。

看板がない店舗物件も調べてみる

この日は、そのほかにも看板の出ていない飲食店舗や、以前は銀行だったと思われる建物など、いくつか気になる物件がありました。

そこで、登記情報なども確認してみました。

しかし、外から見ただけでは、現在の募集状況や店舗としての利用可能性までは判断できません。

改めて、

「店舗物件探しは、単純に空き店舗を見つけるだけではない」

と感じた一日でした。

それでも、収穫はありました

この日は、実際に借りられる物件を見つけるという意味では、大きな成果はありませんでした。

それでも、うれしい収穫がありました。

この日、2回問い合わせをした不動産会社の方が、

「店舗物件のことなら、今後もいつでも問い合わせてください」

と言ってくださったのです。

店舗物件は、一般的な居住用物件とは違い、物件情報が出る前に話が進んでしまうこともあります。

だからこそ、日頃から不動産会社同士で情報交換をしておくことも、店舗物件を探すうえでは大切なのだと感じました。

また、市街化調整区域だからといって、すべての物件が一律に出店できないというわけではありません。

物件ごとに、土地・建物の状況やこれまでの利用状況、関係する法令・行政上の手続きなどを確認する必要があります。

「立地はとても良いけれど、出店するには確認すべきことが多い」

そんな物件も、実際に街を歩いているとたくさん見つかります。

店舗物件探しは「物件を見つける」だけではありません

今回の物件探しを通じて、改めて感じたことがあります。

それは、

「店舗物件探しは、空いている建物を探すだけではない」

ということです。

希望するエリアに空き店舗があったとしても、

  • 希望する業種で営業できるか
  • 建物の用途に問題がないか
  • 都市計画上の制限はないか
  • 駐車場を確保できるか
  • 看板を設置できるか
  • 建物や設備をそのまま使用できるか
  • 改装や用途変更が必要にならないか

など、確認すべきことはたくさんあります。

特にロードサイド店舗では、立地や視認性、駐車場などが大きな魅力になる一方で、物件によっては都市計画や建築・消防などの確認が重要になる場合があります。

そのため、店舗を出店するときには、「条件の良い物件を探す」ことと同じくらい、「その物件で希望する店舗を営業できるかを確認する」ことが大切です。

店舗に関するご相談・お問い合わせ

株式会社彩天堂では、店舗を「借りたい方」「貸したい方」それぞれのご相談を承っています。

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