店舗や事業用物件を借りるとき、賃料や契約期間、保証金などの条件はしっかり確認するものの、意外と見落とされやすいのが**「設備が故障したとき、誰が修理・交換するのか」**という問題です。
例えば、
- エアコンが壊れた
- 自動ドアが動かなくなった
- トイレやシンクから水漏れした
- 照明や電気設備に不具合が起きた
このような場合、修理費用は貸主と借主のどちらが負担するのでしょうか?
特に店舗賃貸では、設備によっては修理・交換費用が数十万円以上になることもあります。こうしたトラブルを防ぐために、契約時に確認しておきたいのが**「資産区分表」**です。
「設備」と「残置物」の違いが、修繕負担を左右する
店舗に設置されているものは、大きく分けると、
貸主側の「設備」
と
借主側で管理する「残置物」
として整理されることがあります。
ここで注意したいのは、
「物件に付いている=貸主の設備」ではない
ということです。
例えば、前のテナントが退去する際に、エアコンや照明などをそのまま残していったケースがあります。
このようなものは、契約上「残置物」として扱われることがあります。
一方で、契約時にその設備を「貸主の設備」として扱ってしまうと、故障した際の修理・交換について、貸主側が負担することになる可能性があります。
つまり、契約時に設備と残置物を明確に区分しておくことが非常に重要なのです。
トラブルになりやすい事例~「エアコン」と「自動ドア」~
高額なため、店舗賃貸で確認しておきたい部分として、エアコンや自動ドアがあげられます。
例えば、前のテナントが設置して、そのまま置いていったエアコン。
「もともと店舗に付いていたから、貸主の設備だろう」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、契約上「残置物」とされていれば、故障した場合の修理・交換を借主側で行うという整理ができます。
反対に、契約時に貸主の設備として扱っていれば、修繕や交換について貸主側の負担となる可能性があります。
自動ドアについても同様です。
店舗にとって重要な設備である一方、物件によっては、その所有・修繕負担について確認が必要な場合があります。
「付いているから誰かが直してくれる」ではなく、「誰の設備で、故障したら誰が修理するのか」まで確認することが大切です。
水回りも「どこまでが貸主負担?」を確認
水回りも、店舗賃貸ではトラブルになりやすいポイントです。
例えば、店舗にトイレやシンクが設置されている場合。
「トイレがあるから、トイレは貸主の設備」
と単純に考えられるとは限りません。
給水・排水の立ち上げ部分と、便器・シンクなどの器具部分を分けて考えるケースもあります。
例えば、
給水・排水の立ち上げ部分 → 貸主側
便器・シンクなど → 残置物として借主側
というように、同じ水回りでも、どこまでを貸主側の設備とするのかを整理することがあります。
そのため、
「水回りは貸主負担」
と大まかに決めるのではなく、具体的にどの部分までが貸主側の設備なのかを確認しておくことが重要です。
そこで役立つのが「資産区分表」
こうした設備の修繕トラブルを防ぐため、契約時に作成しておきたいのが資産区分表です。
資産区分表では、物件内にある設備や造作などについて、
- 貸主の設備なのか
- 残置物なのか
- 修理・交換は誰が行うのか
- 交換が必要になった場合、誰が費用を負担するのか
などを、できるだけ具体的に整理します。
一つひとつ確認するのは少し手間がかかります。
しかし、契約時に貸主・借主の双方で現地を確認し、資産区分を明確にしておくことで、
「この設備が壊れたけど、修理・交換費用はどちらが負担するの?」
という賃貸中のトラブルを防ぎやすくなります。
特に、修理・交換費用が高額になりやすい設備ほど、契約時の確認が重要です。
よくある資産区分の例
物件によって契約内容は異なりますが、一般的には次のような区分になることがあります。
【設備】貸主側で補修・交換となることが多いもの
- 床・壁・天井
- 外壁など建物構造上必要な部分
- 自動ドア
- 防災関連設備
- 給排水の立ち上げ部分
- 電気メーター
- 分電盤 など
【残置物】借主側で補修・交換となることが多いもの
- 建物の構造上必要ではない室内の間仕切り壁
- エアコン
- 照明器具
- 前テナントが残していったキュービクル等の電気設備
- その他、契約上「残置物」とされた設備・造作 など
※上記はあくまで一般的な例です。実際の資産区分や修繕負担は、物件の状況や契約内容によって異なります。
「契約書に書いてあるから大丈夫」とは限らない
店舗賃貸では、契約書だけを見ても判断しにくい設備や造作が存在することがあります。
また、同じエアコンでも、
「貸主の設備なのか?」
「残置物なのか?」
「修理はどちらがするのか?」
「交換する場合はどちらが費用を負担するのか?」
によって、契約後の対応は大きく変わります。
だからこそ、契約時に現地を確認し、設備・残置物の区分と修繕負担をできるだけ明確にしておくことが大切です。
契約時に少し時間をかけて確認しておくことで、将来的なトラブルの「火種」をあらかじめ摘み取ることができます。
安心して店舗を貸す・借りるために
店舗賃貸は、住居の賃貸と比べて設備や造作が多く、修理・交換費用も高額になりやすい傾向があります。
だからこそ、
「壊れたら誰が直すのか?」
ということを、契約時に明確にしておくことが重要です。
貸主様にとっては、想定外の修繕費用を避けるために。
借主様にとっては、突然の設備故障による予想外の出費を避けるために。
設備・残置物の区分を契約時に明確にしておくことは、双方にとって大切なリスク管理の一つです。
株式会社彩天堂では、店舗・事業用物件の仲介において、トラブルが発生しやすい設備や資産区分についても確認し、貸主様・借主様双方が安心して契約できるよう、細かな条件まで整理することを大切にしています。
「契約してからトラブルになる」のではなく、
「契約する前に、できるだけトラブルの可能性をなくしておく」
店舗賃貸だからこそ、私たちはそんな契約のお手伝いを心がけています。
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株式会社彩天堂では、店舗を「借りたい方」「貸したい方」それぞれのご相談を承っています。

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