店舗物件のテナント募集をする際、オーナー様に「次はどんな業種を希望されていますか?」とお聞きすると、
「特に業種のこだわりはありません」
とおっしゃってくださる方も少なくありません。
業種を限定せずに募集できることは、テナント募集において大きなメリットです。
幅広い業種のテナント様に物件を見てもらえるため、希望条件が合えば、オーナー様にとってもテナント様にとっても、良いご縁につながる可能性があります。
ただし、「業種は問わない」というオーナー様の希望と、「実際にその物件で営業できるかどうか」は別の問題です。
今回は、店舗募集をする際に知っておきたいポイントについてご紹介します。
業種を限定しないことにはメリットがある
オーナー様が特定の業種に限定せず募集できる場合、さまざまなテナント様に物件を検討してもらうことができます。
例えば、
- 物販店
- 美容室・サロン
- 事務所
- 飲食店
- クリニック
- 教室・スクール
- サービス店舗
など、幅広い業種から出店の可能性を探ることができます。
その中から、賃料や契約条件だけでなく、内装工事の内容や設備、使用方法なども含めて、物件と相性の良いテナント様が見つかることがあります。
オーナー様にとっては、希望条件に合うテナント様を幅広く募集できる一方、テナント様にとっても、**「探していた立地・条件の物件を見つけたうえで、オーナー様から出店について了承を得られる」**というメリットがあります。
双方の条件がうまく合えば、良い形で契約につながる可能性があります。
ただし、「業種は問わない」だけでは判断できないことも
一方で、オーナー様が「特に業種のこだわりはない」と考えていても、物件側の条件によって、出店できる業種が限られる場合があります。
例えば、飲食店を出店したいテナント様から問い合わせがあったとします。
オーナー様としては飲食店でも問題ないと思っていても、
- 電気容量が不足している
- 給排水設備が出店内容に対応できない
- 厨房設備を設置するための工事が大きくなる
- 換気や排気について検討が必要
- 建物の構造上、大きな工事が必要になる
- 工事費が高額になる
といった事情から、実際の出店には大きなハードルがあることがあります。
つまり、オーナー様が「飲食店OK」と考えていることと、その物件で実際に希望する飲食店を営業できることは、必ずしも同じではありません。
用途地域や周辺環境によっても制限されることがある
また、建物そのものだけでなく、用途地域や周辺環境、営業する業種に関係する法令・規制などによって、出店が難しくなるケースもあります。
例えば、バーや遊技性のある店舗など、業種によっては立地や営業形態について確認が必要になる場合があります。
「この物件なら空いているから出店できるだろう」と考えるのではなく、
その場所で、その業種を、その営業形態で行えるのか
という視点から確認することが大切です。
特に、住宅地などでは用途地域による制限が関係することもあります。
また、周辺に学校などの施設がある場合には、営業内容によって確認が必要になるケースもあります。
そのため、テナント様から具体的な出店希望が出てきた段階で、物件所在地や業種、営業形態などを踏まえて個別に確認していくことが重要です。
「建物の用途」が問題になるケースも
店舗物件では、用途地域だけでなく、建物自体の用途やこれまでの使用状況が問題になることもあります。
例えば、
「以前は店舗として使われていたから、今回も店舗として使えるだろう」
と思っていても、建物の用途や過去の変更状況などを確認すると、現在希望している使い方について、別途確認や手続きが必要になる場合があります。
特に古い建物では、
- 建築当時の資料が十分に残っていない
- 現在の建物と過去の図面などに違いがある
- 検査済証が確認できない
- 過去に用途変更が行われている
- 現在の用途と確認申請上の用途について確認が必要
といったケースもあります。
そのため、「以前も店舗だった」というだけで、希望する業種でそのまま営業できるとは限りません。
※建物の用途については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
👉 「店舗」と書いてあるから大丈夫」は危険?店舗物件を借りる前に確認したい「建物の用途」
検査済証がない古い物件では、より慎重な確認が必要
特に古い物件の場合、検査済証が確認できないケースがあります。
その場合、用途変更などが必要となった際には、建築士などの専門家による現況調査や、関係行政庁への確認などが必要になることがあります。
そして、調査を行った結果、
「必要な対応をすれば必ず用途変更できる」
とは限りません。
建物の状態や既存不適格の状況、関係する法令などによっては、追加の工事や是正対応が必要となる可能性があります。
場合によっては、必要な工事の規模や費用が大きくなり、テナント様にとって現実的ではなくなることもあります。
そのため、古い物件については、テナント様が具体的な出店計画を持った段階で、「できる・できない」を早い段階で決めつけるのではなく、何を確認すればよいのかを整理することが大切です。
「出店できません」で終わらせないために
店舗仲介をしていると、
「この業種は難しそうです」
「この物件では出店できないかもしれません」
という状況に出会うことがあります。
もちろん、法令や建物の条件などから、実際に出店が難しいケースもあります。
ただ、彩天堂では、そこで終わらせるのではなく、
「では、どうすれば出店できる可能性があるのか?」
という視点も大切にしたいと考えています。
例えば、
- 何が問題になっているのか
- どの資料を確認すればよいのか
- 専門家への相談が必要なのか
- どのような工事が必要になる可能性があるのか
- その工事にはどの程度の負担が考えられるのか
- オーナー様・テナント様の双方にとって現実的な方法なのか
こうした点を一つずつ整理していくことで、最初は難しそうに見えた出店についても、別の可能性が見えてくることがあります。
もちろん、確認した結果として「やはり難しい」という結論になることもあります。
それでも、理由を確認しないまま「出店不可」と判断するのではなく、可能性を探ったうえで判断することが、店舗物件を扱ううえで大切だと考えています。
店舗物件は「貸せるか」だけでなく「どう使えるか」も大切
店舗物件のテナント募集では、
「どんな業種を募集するか」
だけでなく、
「この物件で、どのような使い方ができるのか」
という視点も重要です。
オーナー様が業種を限定せず、幅広く募集したいと思っていても、物件の設備・建物用途・用途地域などによって、実際には検討できる業種が限られることがあります。
だからこそ、募集を始める前に物件の特徴や条件を整理しておくことは、テナント募集をスムーズに進めるうえでも大切です。
オーナー様にとっても、テナント様にとっても、**「この物件でやりたいことが実現できるか」**を一緒に考えられることが、良い店舗契約につながる一歩なのではないでしょうか。
彩天堂では、店舗物件を専門に、オーナー様とテナント様の双方の立場を考えながら、出店・賃貸について一緒に考えていきます。
「どんな業種に貸せそうか分からない」
「この業種で出店できるのか確認したい」
「古い物件だけど、店舗として募集して大丈夫?」
など、店舗物件に関することでしたら、お気軽にご相談ください。
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株式会社彩天堂では、店舗を「借りたい方」「貸したい方」それぞれのご相談を承っています。
