「店舗を出すなら、駅前の一等地がいい」
店舗物件を探していると、そう考える方は少なくありません。
駅から近い。
人通りが多い。
大きな通りに面している。
確かに、こうした物件は店舗にとって大きなメリットがあります。
でも、本当に**「駅近・人通りが多い=成功する店舗物件」**なのでしょうか?
実際に街を歩いていると、
「え、こんな場所にあるの?」
と思うような場所なのに、いつもお客様が入っているお店があります。
今回は、私が普段仕事で街を歩く中で気になった、亀有の「つけ麺 道」と駒込の「まぜそば めん佳」を例に、立地の弱さを補っている店舗の特徴について考えてみます。
「立地が悪いから売れない」は、本当に正しい?
店舗物件を探すとき、
「駅から徒歩何分ですか?」
「人通りは多いですか?」
「大通りに面していますか?」
といった条件は、もちろん重要です。
ただし、それだけで店舗の集客が決まるわけではありません。
例えば、
- 駅から少し離れている
- 大通りから一本入っている
- 入口が分かりにくい
- 人通りがそれほど多くない
という物件でも、長く営業している人気店はあります。
なぜでしょうか。
その理由の一つは、「わざわざ行きたくなる理由」があるからです。
亀有「つけ麺 道」は、駅前ではないのに行列ができる

亀有駅から少し歩いた場所にある「つけ麺 道」。
駅前の一等地というわけではありません。
それでも、私が訪れるときには行列ができていることが多く、時間が空くと「また食べたい」と思わせてくれるお店です。
つけ麺そのものがおいしいのはもちろんですが、麺やスープだけでなく、味変や季節の薬味など、最後まで楽しめる工夫もされています。
こうしたお店では、
「駅前だから入る」ではなく、「この店に行きたいから行く」
という来店動機が生まれます。
つまり、立地の弱さを**「商品そのものの魅力」**で補っていると考えられます。
つけ麺 道から考える「立地の弱さを補う力」
- 「ここでしか食べられない」という商品力
- リピーターを生む味や工夫
- 行列そのものが人気店という印象につながる
- 駅から少し離れていても目的地になる
店舗を探す側からすると、非常に興味深い例です。
駒込「まぜそば めん佳」も「わざわざ行きたい店」

もう一つ気になったのが、駒込の「まぜそば めん佳」です。
こちらも駅前の目立つ場所というより、少し入った場所にあります。
それでも、わざわざ食べに行きたくなる魅力があります。
特に印象的なのが、色鮮やかな具材を使った見た目と、他ではあまり味わえない独特のタレ。
「このお店のまぜそばを食べたい」
という目的があれば、多少駅から離れていても、お客様は足を運びます。
これも、
「人通りを待つ店舗」ではなく、「目的地になる店舗」
の一つの形ではないでしょうか。
店舗物件は「駅近」だけで判断しない
もちろん、すべての店舗が駅から離れていても成功するわけではありません。
業種によっては、駅からの距離や人通りが非常に重要です。
例えば、通りすがりのお客様を多く取り込む必要がある業態なら、視認性や人通りは大きなポイントになります。
一方で、
- 目的来店が多い業態
- リピーターを獲得しやすい業態
- SNSや口コミとの相性が良い業態
- 独自の商品・サービスを提供する店舗
などでは、駅前ではないことが必ずしも致命的とは限りません。
むしろ、駅前より賃料を抑えられることで、内装や設備、商品などに投資できるケースもあります。
「良い店舗物件」は、業種によって変わる
店舗物件を探すときに大切なのは、
「良い物件かどうか」ではなく、「そのお店に合った物件かどうか」
という視点です。
例えば、
「駅徒歩3分だから良い物件」
とは限りません。
逆に、
「駅から徒歩10分だからダメな物件」
とも限りません。
同じ物件でも、出店する業種やターゲットによって評価は大きく変わります。
だからこそ店舗物件探しでは、
「どんな場所なら、そのお店のお客様が来てくれるのか?」
を考えることが重要だと思います。
立地には「弱点」と「強み」の両方がある
店舗物件には、それぞれ特徴があります。
駅から遠い。
人通りが少ない。
少し分かりにくい。
こうした条件だけを見ると「悪い物件」に見えるかもしれません。
でも、その代わりに、
- 賃料が抑えられる
- 広さを確保しやすい
- 競合店が少ない
- 落ち着いた環境で営業できる
といったメリットがあるかもしれません。
大切なのは、物件の「弱点」だけを見るのではなく、その弱点を補える店舗なのか、そして弱点以上の魅力を作れる場所なのかを考えることです。
店舗物件探しは「立地」だけでは決まりません
店舗専門の不動産会社として、物件をご紹介するときには、単純に「駅から近い物件」だけをご紹介するのではなく、
「この業種なら、この場所はどうだろう?」
という視点も大切にしたいと考えています。
もちろん、立地は店舗経営において重要な要素です。
ただ、
「駅近だから成功する」
「駅から遠いから失敗する」
と単純に判断することもできません。
店舗には、それぞれのお客様がいます。
そして、そのお客様が「わざわざ行きたい」と思える理由も、お店によって違います。
「こんな場所でも大丈夫?」と思ったら
店舗物件を探していると、
「ちょっと駅から遠いけど大丈夫かな?」
「この場所は人通りが少ないけど、出店できるかな?」
「家賃は安いけれど、集客できるか不安……」
という物件に出会うことがあります。
そんなときは、物件を最初から「良い・悪い」で判断するのではなく、
業種・ターゲット・営業時間・必要な集客方法・賃料とのバランス
などを合わせて考えてみることをおすすめします。
立地には、数字だけでは分からない「相性」があります。
彩天堂では、店舗を「借りたい方」と「貸したい方」の双方から、店舗物件について一緒に考えています。
「この物件、自分の店に合うかな?」
そんな段階からでも、お気軽にご相談ください。
店舗探しは、物件探しだけではありません。
その場所で、どんなお店をつくるのか。
そこから一緒に考えていきたいと思っています。
店舗に関するご相談・お問い合わせ
株式会社彩天堂では、店舗を「借りたい方」「貸したい方」それぞれのご相談を承っています。
